尖閣諸島の陸産貝類
尖閣諸島の陸で暮らす生き物たち


尖閣諸島の陸産貝類


目 次

名   称 
分 布
01 アツマイマイ 魚釣島
02 イボアヤカワニナ 魚釣島
03 キセルガイ 南小島
04 クビキレガイ 魚釣島
05 ゴマガイ科 魚釣島・久場島
06 スナガイ 魚釣島
07 センカクコギセル 魚釣島・南小島
08 タカラノミギセル 魚釣島
09 タカラホソマイマイ 魚釣島
10 タダマイマイ 魚釣島・久場島
11 タラマケマイマイ 魚釣島
12 ノミガイ 南小島
13 ヒラシタガイ 魚釣島
14 マサキベッコウ 尖閣諸島で記載
15 ミジンマイマイ 尖閣諸島で記載
16 ミジンヤマタニシ 南小島
17 Aegista (Plectotropis)sp.
18 Diprommatina sp(newsp.)
19 Parakaliella Sp.
20 Pupisoma Sp.1.
21 Pupisoma Sp.2








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(01)  アツマイマイ
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【分布:魚釣島・久場島】


アツマイマイ(01)
知念盛俊 「尖閣列島の陸産貝類」(1979年)沖縄生物学会誌-第17巻25頁


アツマイマイ(02)
知念盛俊 「尖閣列島の陸産貝類」(1979年)沖縄生物学会誌-第17巻25頁



アツマイマイ(03)
知念盛俊 「尖閣列島の陸産貝類」(1979年)沖縄生物学会誌-第17巻25頁


典拠1:改訂版 レッドデータおきなわ−動物編− 貝類 陸産貝類
http://www3.pref.okinawa.jp/site/contents/attach/9962/kairui.pdf
和名: アツマイマイ
分類: 有肺目オナジマイマイ科
学名: Nesiohelix solida Kuroda & Emura, 1943
カテゴリー: 準絶滅危惧(NT) 環境省カテゴリー: 準絶滅危惧(NT)
貝殻は大型(殻径約40mm)で、殻高はやや低く(約27mm)、マイマイ型。極めて厚
質。体層周縁に角を持たない。殻は濃赤褐色で、濃淡があり、色帯型を持たない。殻表
には粗い成長脈に沿った皺を持つが、顆粒状とならない。殻口は強く肥厚し、反転す
る。臍孔はやや狭いが明瞭に開く。大型で周縁が丸く、皺状彫刻を持ち、色帯を持たな
いことによって、他種と識別できる。本種は、やや自然度の高い森林の林床に生息す
る。尖閣列島の黄尾嶼と魚釣島にのみ分布し、後者では、同島で野生化したヤギによる
森林改変で今後減少する可能性もある。
原記載: 黒田徳米・江村重雄,1943.新属アツマイマイ属に就いて,Venus,13
(1―4):18―34.
参考文献: 知念盛俊,1965.沖縄産陸産貝の採集と標本の作り方(I).沖縄生
物学会誌,2(4):77―88.
知念盛俊,1979.尖閣列島の陸産貝類.沖縄生物学会誌,(17):19―27.
知念盛俊・治井正一・儀間一恵,1996.陸・淡水産貝類.“沖縄県の絶滅のおそれ
のある野生生物−
レッドデータおきなわ−”,沖縄県環境保健部自然保護課,沖縄,447―456.
執筆者名: 黒住耐二


典拠2:「沖縄の秘境を探る」高良鉄夫著・沖縄新報社、76頁、第二章南小島と魚釣
島の生物たち【物騒なクモの巣小屋】
アツマイマイ(魚釣島)
記事: 尖閣列島の陸産貝は、種類は少ないが、珍奇なものがあって、しかも各島に著
しい別型を産するので興味深い。
 その他、珍種として、以前に発見されたアツマイマイ、タダマイマイ(昭和十四年多
田氏発見)やマサキベッコウマイマイ(昭和十四年正木氏発見)などがある。今後十分
に調査すると珍品の出る可能性がある。


典拠3:知念盛俊(1979年) 「尖閣列島の陸産貝類」沖縄生物学会誌-第17巻19-27頁
記事: 校正中


典拠4:CiNii - 知念盛俊, 1979, 尖閣列島の陸産貝類, 沖縄生物学会誌, 17, 19-
27, pls.1-3
記事: 琉球大学の安部琢哉博士によって採集された陸貝の報告で、過去七氏による採
集品と合わせ、尖閣から11科17属19種がリストされている。タカラノミギセル、
センカクコギセル、マサキベッコウの生殖器が初めて報告されたほか、タダマイマイ、
アツマイマイ等の生殖器も報告されている。タカラノミギセルの閉弁の形態が記録され
ているのは類縁関係考察の上からも貴重である。ミジンマイマイは沖縄新産。魚釣島・
黄尾島産のゴマガイ(新種候補)は記載が望まれる。」


典拠5:「尖閣諸島魚釣島の野生化ヤギの排除を求める要望書」日本生態学会
記事:最大の島嶼である魚釣島は、センカクモグラ(哺乳類)、センカクナガキマワリ
(昆虫類)、タカラノミギセル(陸生貝類)などの固有種を含む貴重な動物相、センカ
クオトギリ、センカクハマサジなど 3 種 2 変種の固有植物を含む、少なくとも約 
300 種からなる豊富な植物相を擁している。環境省版レッドデータブックでは、そのう
ちセンカクモグラ、セスジネズミが絶滅危惧 IA 類、アオツラカツオドリが絶滅危惧 
II 類、ミサゴとカラスバトが準絶滅危惧種、タカラノミギセル、アツマイマイが希少
種に指定されている。



アツマイマイ(03)
琉球大学尖閣列島学術報告1971.7




参考までに:沖縄県島尻郡北大東島のダイトウアツマイマイ 
http://www.bigai.ne.jp/pic_book/data24/r002359.html より 
  
学名: Nesiohelix cf. palaeomphalina M. Azuma & Y. Azuma, 1983   
和名 : ダイトウアツマイマイ 
DAITOUATSU-MAIMAI 
綱亜綱目:腹足綱 有肺亜綱 柄眼(マイマイ)目  
科 :マイマイ超科 オナジマイマイ科   
場 所(産地) :沖縄県島尻郡北大東島 1999年12月










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(02)  イボアヤカワニナ
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  イボアヤカワニナ
魚釣島 

産地・採集者:魚釣島(高良,1952.4)
 分布:奄美以南,台湾,インドネシヤ

【補遺】

川の貝図鑑 - 奄美 貝の会 - 楽天広場ブログ(Blog)
http://www.geocities.jp/amamikaikai/zukankawa.htm
大きさ:殻高10〜30mm
分布:鹿児島県本土南部以南
生息環境:汽水域、汽水域直上
環境省RDB:準絶滅危惧









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(03)  キセルガイ
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分布:南島)




典拠1:「沖縄の秘境を探る」
記事: スズメウリの株をあれこれひっくり返して調べているうちに、ノミガイという小形の陸産
且を見出した。それは沖縄の他の地域ではすでに知られている種類であるが、ここ尖間列島からは
はじめて記録されるものである。さらに落ち葉の下をかきまわしている間に、珍しいキセルガイの
一種を発見した。キセルガイの仲間は、尖閣列島からは知られていないようであり、また沖縄島な
どで見られるものとは、形が異なっているので、新種の可能性に胸をふくらませた。だが不幸にし
て採集した二個体の珍品はどこかで紛失してしまった。(「沖縄の秘境を探る」高良鉄夫著・沖縄
新報社、72頁、第二章南小島と魚釣島の生物たち【労せずして魚をとる】)












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(04)  クビキレガイ
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分布:魚釣島

典拠:知念盛俊(1979年) 「尖閣列島の陸産貝類」沖縄生物学会誌-第17巻19-27頁
記事: 校正中


写真参考:下はマレーシア産のクビキレガイ

微小貝データベースBISHOGAI Data Base
Truncatella guerinii [クビキレガイ 首切貝]
場 所(産地):マレーシア、ジョホール州 Tanjong Penawar. 
海に近い林の腐葉土の間 1993年9月5日



小笠原諸島のクビキレガイ科〈http://www12.ocn.ne.jp/~mand/truncatell.html〉より


礫下に群生するクビキレガイ
 クビキレガイ科に属する巻貝としては、小笠原諸島ではクビキレガイ(Truncatella  guerinii)だけが知られています。本種は鹿児島県以南のインド洋ー太平洋地域に広く分布し、 一般に海浜の礫下、打ち上げ物や落葉下に生息しています。小笠原では特に父島南部と南島の石 灰岩地に多く、礫下に群生しています。また南島では、海浜から遠く離れた内陸にも進出し、島 の中央を占めるドリーネの内部にも生息しています。
 幼貝のうちは殻頂がとがっていますが、成長するとともに殻頂部が脱落してしまうため、頭が 切れたような形になります。これが本種の物騒な和名の由来となっています。海浜性の貝です が、直達発生でプランクトン幼生期をもっていません。しかし卵嚢がデトリタスに付着して海中 を長期漂うとされており、これが本種の広い分布域の理由と考えられます。


歩行中のクビキレガイ

 本種の歩き方は非常にユニークで、腹足の最後端と頭から長く突き出た吻を交互に伸ばしたり 縮めたりしながら、まるで尺取虫のように歩きます。この歩行法は、足の接地面積を最小限に抑 えることができるため、直射日光によって熱くなることの多い海浜の石の上を歩くのに適した歩 行法であると考えられます。
 クビキレガイは鹿児島県以南の熱帯太平洋域では、海浜の飛沫帯に多産する最普通種であり、 典型的な広域分布種ですが、小笠原ではなぜか天然記念物に指定されています。









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(05)  ゴマガイ科
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ゴマガイ科
(分布:魚釣島・久場島)

典拠:知念盛俊(1979年) 「尖閣列島の陸産貝類」沖縄生物学会誌-第17巻19・20頁
記事: 校正中


ゴマガイ属の一種
改訂版 レッドデータおきなわ−動物編− 貝類 陸産貝類
http://www3.pref.okinawa.jp/site/contents/attach/9962/kairui.pdf

和名: ゴマガイ属の一種
分類: 原始紐舌目ゴマガイ科
学名: Diplommatina(Sinica)sp.
カテゴリー: 準絶滅危惧(NT) 環境省カテゴリー: 該当なし
貝殻はこの属としては小型(殻高約2.2mm)で、殻径はやや大きく(約1.3mm)、俵型。螺 塔は鈍角。体層は次体層より僅かに小さい程度。淡橙褐色。殻表の成長肋はやや明瞭。殻口は、 円形で、内唇側の隅はやや角張る。緊線は次体層よりにあり、腔襞は長く、体層腹面の半分程 度。リュウキュウゴマガイ等より、殻径が大きく、いわゆる腹太で、緊線は次体層よりにあるこ とで、琉球列島の種と識別できる。尖閣列島の黄尾嶼と魚釣島にのみ分布し、後者では野生化し たヤギによる森林改変で今後減少する可能性もある。
原記載: なし
参考文献: Pilsbry, H. A., 1901. New land Mollusca from Japan and Loo Choo Islands.  Proc. Acad. Nat. Sci. Phila., 53 :344―353.
知念盛俊,1979.尖閣列島の陸産貝類.沖縄生物学会誌,(17):19―27.
執筆者名: 黒住耐二


典拠:CiNii - 知念盛俊, 1979, 尖閣列島の陸産貝類, 沖縄生物学会誌, 17, 19-27, pls.1-3
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004758969/
記事: 琉球大学の安部琢哉博士によって採集された陸貝の報告で、過去七氏による採集品と合 わせ、尖閣から11科17属19種がリストされている。タカラノミギセル、センカクコギセ ル、マサキベッコウの生殖器が初めて報告されたほか、タダマイマイ、アツマイマイ等の生殖器 も報告されている。タカラノミギセルの閉弁の形態が記録されているのは類縁関係考察の上から も貴重である。ミジンマイマイは沖縄新産。魚釣島・黄尾島産のゴマガイ(新種候補)は記載が 望まれる。」



北のフィールドノート : ゴマガイ
http://snowmelt.exblog.jp/4142825/


北のフィールドノート : ゴマガイ
http://snowmelt.exblog.jp/4142825/

ゴマくらいの大きさという意味の陸貝だ。
ヒダリマキゴマガイというさらに小さな陸貝もいる。
こんな大きさなのに極細の彫刻だ。


ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

2チャンネル【軟体】 貝スレ 【動物】
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/wild/1045895247/

ゴマガイ類・ミジンヤマタニシは本州以南なら大概いるですよ。 
湿気の多い杉林とか里山の落ち葉を注意深く見るといるです。 
白いんで朽ち葉の中では割と目立つかも。見つけると世界が広がるですよ。 

大上宇一話リンク謝々。とても興味深く読んだです。 
播磨香島が基準産地になってる貝も多いですね。 
京都の平瀬貝類博物館がオオウエをオオカミと読み違って、 
オオカミゴマガイとかになったのはリンク先の通りですが、 
本人もずっと知りながら訂正もせず、自分の名誉にはトンと興味がなかったらしい。 
大上=オオウエとわかったのは死んだ後だったと聞きましたです。 
昔の動物学雑誌を見ると氏の投稿があったりするですが、昔の人はスゴカイイソメ。 









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(06)  スナガイ
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スナガイ−昭和54(1979)年3月5月魚釣島産
「尖閣列島・南小島を訪ねて」
沖縄生物学会誌第17号23頁

スナガイ−昭和54(1979)年3月5月魚釣島産
「尖閣列島・南小島を訪ねて」
沖縄生物学会誌第17号23頁


典拠:知念盛俊(1979年) 「尖閣列島の陸産貝類」沖縄生物学会誌-第17巻19-27頁
記事: 校正中














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(07)  センカクコギセル
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分布:魚釣島・南小島


センカクコギセル
1979年3月5月魚釣島産14×4mm01-
沖縄生物学会誌第17号25頁
知念盛俊 「尖閣列島の陸産貝類」(1979年)


典拠1:改訂版 レッドデータおきなわ−動物編− 貝類 陸産貝類
http://www3.pref.okinawa.jp/site/contents/attach/9962/kairui.pdf
和名: センカクコギセル
分類: 有肺目キセルガイ科
学名: Euphaedusa senkakuensis Kuroda, 1960
カテゴリー: 準絶滅危惧(NT) 環境省カテゴリー: 準絶滅危惧(NT)
貝殻は小型(殻高約13mm)で、殻径はやや細く(約3mm)、細長い塔型で、殻頂部へ緩やかに細ま
る。やや薄質。殻は暗褐色で、殻表には明瞭で細かい成長肋を密に持ち、やや光沢を持つ。殻口は洋
梨形で、やや歪み、殻口縁はやや薄く、殻口内の上板と下軸板は明瞭で強く、下板はほとんど見えな
い。体層内部側面の腔襞では、主襞はやや短く、月状襞を欠き、短い上腔襞を持つ。尖閣諸島の魚釣
島と南小島にのみ分布し、自然度の高い森林の林床に生息する。野生化したヤギによる森林破壊によ
り、個体数の減少が懸念される。
原記載: 黒田徳米,1960.沖縄群島産貝類目録(頭足類を除く).琉球大学教務部普及課,沖
縄,iv+1―104pp.
参考文献: 知念盛俊,1976.陸産貝類.“生態写真集沖縄の生物”,新星図書,沖縄,212
―243.
知念盛俊,1976.尖閣列島の陸産貝類.沖縄生物学会誌,(17):19―27.
知念盛俊・治井正一・儀間一恵,1996.陸・淡水産貝類.“沖縄県の絶滅のおそれのある野生生
物−
レッドデータおきなわ−”,沖縄県環境保健部自然保護課,沖縄,447―456.
執筆者名: 黒住耐二


典拠2:知念盛俊(1979年) 「尖閣列島の陸産貝類」沖縄生物学会誌-第17巻19-27頁


典拠3:CiNii - 知念盛俊, 1979, 尖閣列島の陸産貝類, 沖縄生物学会誌, 17, 19-27, pls.1-3
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004758969/
記事: 琉球大学の安部琢哉博士によって採集された陸貝の報告で、過去七氏による採集品と合わ
せ、尖閣から11科17属19種がリストされている。タカラノミギセル、センカクコギセル、マサ
キベッコウの生殖器が初めて報告されたほか、タダマイマイ、アツマイマイ等の生殖器も報告されて
いる。タカラノミギセルの閉弁の形態が記録されているのは類縁関係考察の上からも貴重である。ミ
ジンマイマイは沖縄新産。魚釣島・黄尾島産のゴマガイ(新種候補)は記載が望まれる。」






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(08)  タカラノミギセル
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(07)タカラノミギセル
(魚釣島)


典拠1:知念盛俊(1979年) 「尖閣列島の陸産貝類」沖縄生物学会誌-第17巻19-27頁
記事: 校正中


典拠2:改訂版 レッドデータおきなわ−動物編− 貝類 陸産貝類
http://www3.pref.okinawa.jp/site/contents/attach/9962/kairui.pdf
和名: タカラノミギセル
分類: 有肺目キセルガイ科
学名: Hemizaptyx takarai(Kuroda, 1960)
方言名: なし
カテゴリー: 準絶滅危惧(NT) 環境省カテゴリー: 準絶滅危惧(NT)
殻は小型(殻高約12mm)で、殻径はやや細い(約2.6mm)、細長い塔型で、螺塔は緩やかに細
まり、細く尖る。やや薄質。殻は赤褐色で、殻表には明瞭な成長肋を持ち、特に殻口付近で粗くな
る。殻口は細長く、上部で強く括れ、殻口縁の肥厚はやや弱い。殻口内の上板は見えづらく、下板
も見えず、下軸板は殻口縁に出現する。体層内部側面の腔襞では、主襞はやや短く、上腔襞は短く
月状襞に連続する。尖閣諸島の魚釣島にのみ分布し、比較的自然度の高い森林の倒木下に生息す
る。野生化したヤギによる森林の改変により、生息地の環境が悪化している。
原記載: 黒田徳米,1960.沖縄群島産貝類目録(頭足類を除く).琉球大学教務部普及課,
沖縄.iv+1―104pp.
参考文献: 知念盛俊,1976.尖閣列島の陸産貝類.沖縄生物学会誌,17:19―17,
pl.1,f.6.
湊宏,1985.日本産陸棲貝類の生殖器の研究−XXIII.キセルガイ科(9): ピントノミギセ
ル属の4種.Venus, 44(4):278―284.
知念盛俊・治井正一・儀間一恵,1996.陸・淡水産貝類.“沖縄県の絶滅のおそれのある野生
生物


典拠2:「沖縄の秘境を探る」
記事: 魚釣島の代表的な植物はビロウである。ビロウの周辺には何か珍種がいるかもしれない。
こう思いながら、ビロウの朽ち葉をかきあさっていると、一個の小形キセルガイが出た。
 このキセルガイは南小島で採集したものとは、著しく形の異なったものである。長さ一センチ二
ミリの小形で、殻の口は全く普通ではなく、一見、口が二つあるように見える。
 私は貝類の専門ではないので、後日、その分野の権威である黒田徳米博士に鑑定を求めた。黒田
博士はこのキセルガイを新種として、それにタカラノミギセルという名をつけて学界に発表した。
黒田博士によると、この種のノミギセルの外形は、今まで全く知られなかった珍しい型で、極端に
いうならば、その奇形は、全く人を食ったものといい得るもので、過去の経験から、こんな奇態に
接したことはないと述べている。(「沖縄の秘境を探る」高良鉄夫著・沖縄新報社、76頁、第二
章南小島と魚釣島の生物たち【物騒なクモの巣小屋】)


典拠3:CiNii - 知念盛俊, 1979, 尖閣列島の陸産貝類, 沖縄生物学会誌, 17, 19-27, pls.1-3
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004758969/
記事: 琉球大学の安部琢哉博士によって採集された陸貝の報告で、過去七氏による採集品と合わ
せ、尖閣から11科17属19種がリストされている。タカラノミギセル、センカクコギセル、マ
サキベッコウの生殖器が初めて報告されたほか、タダマイマイ、アツマイマイ等の生殖器も報告さ
れている。タカラノミギセルの閉弁の形態が記録されているのは類縁関係考察の上からも貴重であ
る。ミジンマイマイは沖縄新産。魚釣島・黄尾島産のゴマガイ(新種候補)は記載が望まれる。」








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(09)  タカラホソマイマイ
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タカラホソマイマイ
(分布:魚釣島)


典拠1:知念盛俊(1979年) 「尖閣列島の陸産貝類」沖縄生物学会誌-第17巻19-27頁
記事: 校正中


典拠2:改訂版 レッドデータおきなわ−動物編− 貝類 陸産貝類
http://www3.pref.okinawa.jp/site/contents/attach/9962/kairui.pdf
和名: トウガタホソマイマイ
分類: 有肺目オナジマイマイ科
学名: Pseudobuliminus turrita(Gude, 1900)
カテゴリー: 絶滅危惧B類(EN) 環境省カテゴリー: 絶滅危惧類(CR+EN)
形態: 貝殻は小型(殻径約6.5mm)で、殻高は高く(約11mm)、高円錐形、螺層は僅かに膨
らみ、やや薄質。体層周縁の角は明瞭で強く尖る。殻は淡黄褐色で、殻表に明瞭な殻皮の突起や
毛を持たず、ほぼ平滑。殻口は弱く肥厚し、反転する。臍孔は反転した軸唇に被われて狭い。
近似種との区別: 本種は、周縁角が明瞭で強く尖ることにより、ナガシリマルホソマイマイP. 
meiacoshimensisやタカラホソマイマイと容易に識別できる。
分布の概要: 本種は、沖永良部島と沖縄島を含む沖縄諸島に分布する。
近縁な種及び群との分布状況の比較: ナガシリマルホソマイマイは八重山諸島に、タカラホソマ
イマイは尖閣列島に分布する。
生態的特徴: やや自然度の高い森林の林縁の落葉下に生息する地上性種である。
生息地の条件: やや自然度の高い森林に生息する。
個体数の動向: 近年では、沖縄島南部を中心として、生貝の確認が少なく、個体数は減少してい
る。
現在の生息状況: 本種の記録地は、比較的沖縄島では石灰岩地域を中心に各地から報告されてい
る。しかし、その分布は散在的である。
学術的意義・評価: 沖縄島諸島と沖永良部島の固有種である。
生存に対する脅威: 森林の伐採等による生息環境の変化。
特記事項: 特になし。
原記載: Gude, G. K., 1900. Further notes on helicoid land snails from Japan, the Loo―
Choo, and Bonin Islands with description of seven new species. Proc. Malac. Soc. 
London, 4 : 70―80.
参考文献: 知念盛俊,1965.沖縄産陸産貝の採集と標本の作り方(I).沖縄生物学会誌,
2(4):77―88.
Chinen, M., 1977. Land shells of Okinawa―jima and adjacent islands (Exclusive of 
Truncatellidae, Assimineidae and Ellobiidae). Ecol. Stud. Nat. Cons. Ryukyu Isls., 
III : 127―149.
知念盛俊,1989.佐敷町産陸棲貝類.“佐敷町史三自然”,佐敷町役場,沖縄,324―3
34.
東正雄・東良雄・平田義浩,1992.久米島の陸産貝類相.Venus,50(4):264―26
9.
知念盛俊,1992.中城城跡と周辺の陸産貝類.“中城村史第二巻資料編1”,中城村役場,
沖縄,238―243.
執筆者名: 黒住耐二









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(10)  タダマイマイ
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分布:魚釣島・久場島


タダマイマイ
知念盛俊 「尖閣列島の陸産貝類」(1979年)沖縄生物学会誌-第17巻26頁


タダマイマイ
知念盛俊 「尖閣列島の陸産貝類」(1979年)沖縄生物学会誌-第17巻26頁


典拠1:知念盛俊(1979年) 「尖閣列島の陸産貝類」沖縄生物学会誌-第17巻19-27頁
記事: 校正中


典拠2:改訂版 レッドデータおきなわ−動物編− 貝類 陸産貝類
http://www3.pref.okinawa.jp/site/contents/attach/9962/kairui.pdf
和名: タダマイマイ
分類: 有肺目ナンバンマイマイ科
学名: Satsuma(Satsuma)tadai(Kuroda, 1960)
カテゴリー: 準絶滅危惧(NT) 環境省カテゴリー: 準絶滅危惧(NT)
貝殻は左巻きで、小型(殻径約20mm)で、殻高はやや高く(約14mm)、やや厚質。体層周縁
は丸く、この部分に色帯を持ち、通常その上下に幅広い赤褐色の色帯がある。殻は黄褐色。臍孔
はやや広く開く。左巻きで、小型、螺塔が高いことによって、同亜属の他種と識別できる。尖閣
列島の自然度の高い森林の林床に生息する。同列島では、野生化したヤギによる森林改変が報告
されており、乾燥に弱い本種など陸産貝類では絶滅が懸念される。
原記載: 黒田徳米,1960.沖縄群島産貝類目録(頭足類を除く).琉球大学教務部普及課,
沖縄,iv+1―104pp.
参考文献: 知念盛俊,1976.陸産貝類.“生態写真集沖縄の生物”,新星図書,沖縄,21
2―243.
知念盛俊,1979.尖閣列島の陸産貝類.沖縄生物学会誌,(17):19―27.
湊宏,2001.シュリマイマイ種群とオオシママイマイ種群の種類とその分布.ちりぼたん,
32(1/2):24―31.
執筆者名: 黒住耐二


典拠2:「沖縄の秘境を探る」
記事: 尖閣列島の陸産貝は、種類は少ないが、珍奇なものがあって、しかも各島に著しい別型
を産するので興味深い。
 その他、珍種として、以前に発見されたアツマイマイ、タダマイマイ(昭和十四年多田氏発
見)やマサキベッコウマイマイ(昭和十四年正木氏発見)などがある。今後十分に調査すると珍
品の出る可能性がある。(「沖縄の秘境を探る」高良鉄夫著・沖縄新報社、76頁、第二章南小
島と魚釣島の生物たち【物騒なクモの巣小屋】)


典拠3:知念盛俊(1979年) 「尖閣列島の陸産貝類」沖縄生物学会誌-第17巻19-27頁
記事:


典拠4:CiNii - 知念盛俊, 1979, 尖閣列島の陸産貝類, 沖縄生物学会誌, 17, 19-27, pls.1-3
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004758969/
記事: 琉球大学の安部琢哉博士によって採集された陸貝の報告で、過去七氏による採集品と合
わせ、尖閣から11科17属19種がリストされている。タカラノミギセル、センカクコギセ
ル、マサキベッコウの生殖器が初めて報告されたほか、タダマイマイ、アツマイマイ等の生殖器
も報告されている。タカラノミギセルの閉弁の形態が記録されているのは類縁関係考察の上から
も貴重である。ミジンマイマイは沖縄新産。魚釣島・黄尾島産のゴマガイ(新種候補)は記載が
望まれる。」








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(11)  タラマケマイマイ
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分布:魚釣島


タラマケマイマイ
知念盛俊 「尖閣列島の陸産貝類」(1979年)沖縄生物学会誌-第17巻25頁



タラマケマイマイ
知念盛俊 「尖閣列島の陸産貝類」(1979年)沖縄生物学会誌-第17巻25頁


典拠1:知念盛俊(1979年) 「尖閣列島の陸産貝類」沖縄生物学会誌-第17巻19-27頁
記事: 校正中










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(12)  ノミガイ
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分布:南小島



典拠1:「沖縄の秘境を探る」
記事: スズメウリの株をあれこれひっくり返して調べているうちに、ノミガイという小形の陸産且
を見出した。それは沖縄の他の地域ではすでに知られている種類であるが、ここ尖間列島からはは
じめて記録されるものである。さらに落ち葉の下をかきまわしている間に、珍しいキセルガイの一
種を発見した。キセルガイの仲間は、尖閣列島からは知られていないようであり、また沖縄島など
で見られるものとは、形が異なっているので、新種の可能性に胸をふくらませた。だが不幸にして
採集した二個体の珍品はどこかで紛失してしまった。(「沖縄の秘境を探る」高良鉄夫著・沖縄新
報社、72頁、第二章南小島と魚釣島の生物たち【労せずして魚をとる】)

典拠2:知念盛俊(1979年) 「尖閣列島の陸産貝類」沖縄生物学会誌-第17巻19・20頁
記事: 校正中






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(13)  ヒラシタガイ
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分布:魚釣島

ヒラシタガイ(01)
知念盛俊 「尖閣列島の陸産貝類」(1979年)
沖縄生物学会誌-第17巻22頁

典拠1:知念盛俊(1979年) 「尖閣列島の陸産貝類」沖縄生物学会誌-第17巻19-27頁
記事: 校正中










ヒラシタラガイ
http://www.tsudoi-company.com/photogallery/shellfish/gazou/rikusei/hirasita.htm

ヒラシタラガイ Sitalina latissima                 ベッコウマイマイ科 
沖縄県RDBカテゴリー:該当なし
環境省RL カテゴリー:該当なし 
【生態など】
林内の林床に生息しています。2mmくらいの小さな貝です。林床の倒木や落ち葉などに付着している
のがよく見られます。 




↓ 画像が下のサイトにあります。

愛媛県レッドデータブック | 淡水産貝類 | ヒラシタラガイ
http://www.pref.ehime.jp/030kenminkankyou/080shizenhogo/00004541040311/detail/07_03_
003280_5.html


■ ヒラシタラガイ Sitalina latissima 
 ベッコウマイマイ科 


 愛媛県カテゴリー 
絶滅危惧1類(CR+EN) 
 
環境省カテゴリー 
--- 
 
撮影者: 石川 裕 
執筆者: 石川 裕 
 
 
種の特徴 殻高1.5mm、殻径2.3mm、4層と小形。殻は薄く、黄白色半透明。低い円錐形で周縁は角張
り、その上方に数本の弱い螺状脈がある。臍孔は狭い。広葉樹内の朽ち葉の間などに生息する。 
分 布 県内:由良半島
県外:三宅島・四国(高知県)・九州・沖縄 
生息状況
選定理由 県内では2カ所しか生息地がなく、森林の伐採などによっては生息地が消失する。 









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(14)  マサキベッコウ
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分布:魚釣島


マサキベッコウ(01)
知念盛俊 「尖閣列島の陸産貝類」(1979年)沖縄生物学会誌-第17巻25頁




マサキベッコウ(02)
知念盛俊 「尖閣列島の陸産貝類」(1979年)沖縄生物学会誌-第17巻25頁


典拠1:知念盛俊(1979年) 「尖閣列島の陸産貝類」沖縄生物学会誌-第17巻19-27頁


典拠2:CiNii - 知念盛俊, 1979, 尖閣列島の陸産貝類, 沖縄生物学会誌, 17, 19-27, pls.1-3
記事: 琉球大学の安部琢哉博士によって採集された陸貝の報告で、過去七氏による採集品と合 わせ、尖閣から11科17属19種がリストされている。タカラノミギセル、センカクコギセ ル、マサキベッコウの生殖器が初めて報告されたほか、タダマイマイ、アツマイマイ等の生殖器 も報告されている。タカラノミギセルの閉弁の形態が記録されているのは類縁関係考察の上から も貴重である。ミジンマイマイは沖縄新産。魚釣島・黄尾島産のゴマガイ(新種候補)は記載が 望まれる。」


典拠3:改訂版 レッドデータおきなわ−動物編− 貝類 陸産貝類
http://www3.pref.okinawa.jp/site/contents/attach/9962/kairui.pdf
和名: マサキベッコウ
分類: 有肺目ベッコウマイマイ科
学名: Bekkochlamys masakii(Kuroda, 1960)
方言名: なし
カテゴリー: 絶滅危惧類(VU) 環境省カテゴリー: 情報不足(DD)
形態: 貝殻はこの科としては大型(殻径約15mm)で、殻高は低く(約7.5mm)、円盤形で、 螺層数は多く、最終層は急激に広くならない。螺塔は僅かに突出し、螺層の膨らみは弱い。体層 の膨らみも弱く、周縁には角を持たない。縫合は窪まない。殻表はほぼ平滑で、明瞭な螺状脈を 持たず、やや褐色がかった黄色で、光沢を持つ。臍孔は軸唇によって被われ、この部分は白色と なる。
近似種との区別: 本種は、タイワンベッコウ B.”formosanusとは殻表に明瞭な螺状脈を持たな いことによって、ベッコウマイマイB. perfragilisとは最終層は急激に広くならず、黄褐色で、 臍孔部が白色になることで識別できる。
分布の概要: 石垣島・西表島・与那国島・尖閣諸島から知られている。
近縁な種及び群との分布状況の比較: タイワンベッコウは台湾に、ベッコウマイマイは奄美・沖 縄両諸島に分布する。
生態的特徴: 森林の倒木下に生息する地上性種である。
生息地の条件: やや自然度の高い森林に生息する。
個体数の動向: 個体群密度は極めて低い。
現在の生息状況: 石垣島・西表島では、個体数は比較的少なく、与那国島でも1970年代前半 の調査では確認されていない。尖閣列島の魚釣島では比較的高密度であったが、この島では野生 化したヤギによる植生破壊が進行中である。
学術的意義・評価: 八重山諸島と尖閣列島の固有種である。
生存に対する脅威: 森林の伐採や野生化したヤギによる生息環境の変化。
特記事項: 特になし。


原記載: 黒田徳米,1960.沖縄群島産貝類目録(頭足類を除く).琉球大学教務部普及課, 沖縄,iv+1―104pp.
参考文献: 黒田徳米,1963.日本非海産貝類目録.日本貝類学会,東京,vi+71pp.
波部忠重・知念盛俊,1974.八重山群島石垣・西表両島の陸産貝類相とその生物地理学的意 義.国立科学博物館専報,(7):121―128,3pls.
知念盛俊,1976.陸産貝類.“生態写真集沖縄の生物”,新星図書,沖縄,212―24 3.
知念盛俊,1990.西表島の陸産貝類.“平成元年度西表島崎山半島地域調査報告書”,環境 庁自然保護局,東京,267―275.
執筆者名: 黒住耐二


典拠4:「沖縄の秘境を探る」高良鉄夫著・沖縄新報社、76頁、第二章南小島と魚釣島の生物 たち【物騒なクモの巣小屋】
 尖閣列島の陸産貝は、種類は少ないが、珍奇なものがあって、しかも各島に著しい別型を産す るので興味深い。
 その他、珍種として、以前に発見されたアツマイマイ、タダマイマイ(昭和十四年多田氏発 見)やマサキベッコウマイマイ(昭和十四年正木氏発見)などがある。今後十分に調査すると珍 品の出る可能性がある。











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(15)  ミジンマイマイ
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ミジンマイマイ(01)
知念盛俊 「尖閣列島の陸産貝類」(1979年)
沖縄生物学会誌-第17巻22頁



ミジンマイマイ(02)
知念盛俊 「尖閣列島の陸産貝類」(1979年)
沖縄生物学会誌-第17巻22頁




ミジンマイマイ沖縄新産。
典拠1:知念盛俊(1979年) 「尖閣列島の陸産貝類」沖縄生物学会誌-第17巻19-27頁
記事: 校正中


典拠2:CiNii - 知念盛俊, 1979, 尖閣列島の陸産貝類, 沖縄生物学会誌, 17, 19-27, 
pls.1-3
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004758969/
記事: 琉球大学の安部琢哉博士によって採集された陸貝の報告で、過去七氏による採集品
と合わせ、尖閣から11科17属19種がリストされている。タカラノミギセル、センカク
コギセル、マサキベッコウの生殖器が初めて報告されたほか、タダマイマイ、アツマイマイ
等の生殖器も報告されている。タカラノミギセルの閉弁の形態が記録されているのは類縁関
係考察の上からも貴重である。ミジンマイマイは沖縄新産。魚釣島・黄尾島産のゴマガイ
(新種候補)は記載が望まれる。」











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(16)  ミジンヤマタニシ
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分布:南小島


ミジンヤマタニシ(01)
知念盛俊 「尖閣列島の陸産貝類」(1979年)
沖縄生物学会誌-第17巻22頁

典拠:知念盛俊(1979年) 「尖閣列島の陸産貝類」沖縄生物学会誌-第17巻19頁
記事: 校正中








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(17)  Aegista (Plectotropis)sp.
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Aegista (Plectotropis)sp.














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(18)  Diprommatina sp (new sp.)
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Diprommatina sp(newsp.) 
知念盛俊 「尖閣列島の陸産貝類」(1979年)
沖縄生物学会誌-第17巻25頁





Diprommatina sp(newsp.) 
知念盛俊 「尖閣列島の陸産貝類」(1979年)
沖縄生物学会誌-第17巻25頁










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(19)  Parakaliella Sp.
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Parakaliella Sp.








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(20)  Pupisoma Sp.1.
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Pupisoma Sp.1.






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(21)  Pupisoma Sp.2.
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Pupisoma Sp.2.











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