尖閣諸島の陸産カニ類
尖閣諸島の陸で暮らす生き物たち

尖閣諸島の陸産カニ類


センカクサワガニ
分布:魚釣島




和名: センカクサワガニ
分類: 十脚目短尾下目サワガニ科
学名: Geothelphusa shokitai Shy & Ng, 1998
カテゴリー: 絶滅危惧A類(CR) 環境省カテゴリー: 該当なし
形態: 最大甲幅約30mm。甲は比較的平たく、前側縁は筋状の隆起となり、顕著な顆粒に縁取ら れる。歩脚には主に前節に長い毛が生える。
近似種との区別: ムラサキサワガニとカッショクサワガニに似るが、両種は前側縁の顆粒が小さ い点や、甲がより膨らむことから本種と容易に区別できる。
分布の概要: 魚釣島固有種。
近縁な種及び群との分布状況の比較: ミヤザキサワガニが台湾北部に、ムラサキサワガニとカッ ショクサワガニがそれぞれ石垣島と西表島に分布する。
学術的意義・評価: センカクサワガニは、台湾北部のミヤザキサワガニと八重山のムラサキサワ ガニ・カッショクサワガニに比較的近縁であると考えられ、南琉球・尖閣諸島・台湾の地史的な つながりを示しうる大変貴重ある。
生存に対する脅威: 野生化しているヤギによる植生の減少が、水質悪化や島の保水能力の低下を 招き、本種の生存を脅かていると考えられる。
原記載: Shy, J. ―Y. & P. K. L. Ng, 1998. On two new species of Geothelphusa  Stimpson, 1858 (Decapoda, Brachyura,
Potamidae) from the Ryukyu Island, Japan. Crustaceana, 71(7) : 778―784.
参考文献: 笠井英美・成瀬貫,2003.サワガニ科.琉球列島の陸水生物,西田睦・鹿谷法 一・諸喜田茂充編,
東海大学出版会,東京,282―288.
執筆者名: 成瀬貫









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